ベレックス株式会社(本社:東京都渋谷区、 代表取締役:八藤浩志)は、「手元から、心はずむ毎日を。」を掲げ、ネイルサロン「ネイルステーション」「VERY」を全国に展開しています。単に着飾る美しさではなく、爪の健康を第一に考えた「ケア」を重視しており、お客様のライフスタイルに寄り添う専門的なカウンセリングと、自爪ケアブランド「ninalu」を通じ、日常に前向きな変化をもたらす「ライフネイル」を提唱しています。
コロナ禍の生活様式の変化で見受けられるようになった「ダメージ爪」に着目し、綺麗な爪になればモチベーションが上がる=心にスイッチが入るという仮定を元にネイルサロンの価値を再定義したPR戦略事例です。

2020年以降の新型コロナウイルス感染症の拡大は、対面サービスを基本とするネイルサロン業界に深刻な打撃を与えました。そして、コロナ禍における外出自粛や在宅勤務の普及により、従来のおしゃれを目的としたネイル需要が急減するという事態が全国的に広まります。しかし、その一方で新たな問題が浮上していました。
頻繁なアルコール消毒や手洗いにより、指先が乾燥し、爪が割れたりささくれができたりする「消毒ダメージ爪」に悩む人々が急増していたのです。ベレックス株式会社(以下、ベレックス)が運営する「ネイルステーション」の現場でも、地爪の荒れや乾燥に関する相談が目に見えて増えていました。
クライアントであるベレックス様からは、「お客様がサロンに来られない今だからこそ、健康な自爪を育む『ケアサービス』の価値を再定義し、新たな来店動機を作りたい」という切実なご相談をいただきました。

私たちは、この課題に対し、単なるメニュー紹介ではなく、社会背景と心理的価値を掛け合わせたコンセプトを提案しました。
まず、皮膚科医の知見を取り入れ、コロナ禍特有の指先の荒れを「消毒ダメージ爪」と定義します。放置すると実年齢より老けて見えるリスクを可視化し、社会的な課題としてケアの必要性を顕在化させます。
そして、「爪が綺麗だと、ふとした瞬間に自分の手元を見てモチベーションが上がる」という女性心理に着目し、指先を整えることが、沈みがちなコロナ禍の気持ちを前向きに切り替える「スイッチ」になるというメッセージを込めて、情緒的ベネフィット「キラッとスイッチ」の策定します。
また、技術提供のみを行うネイリストから、顧客のライフスタイルに合わせた中長期的なケアを提案する「ネイルプランナー」へと肩書きを刷新し、サービスの専門性と付加価値を高めました。
このようなコンセプトと戦略を基に具体的な施策を進めていきます。
① 専門家監修による「キラッとスイッチケア」のスタート
2021年8月、消毒ダメージ爪を3つの施術で改善するサービス『キラッとスイッチケア』をリリースしました。皮膚科医・神島輪先生の監修により、「なぜ今、プロのケアが必要なのか」という医学的根拠をプレスリリースに盛り込み、メディアの信頼性を獲得しました。
② インフルエンサー体験とドキュメンタリームービー制作
実際に指先が整うことで心が動く瞬間を伝えるため、いきいきと過ごす女性たちにスポットを当てたドキュメンタリームービーを制作。インフルエンサーによる施術体験も実施し、SNSを通じて「自分を大切にする時間」としてのネイルケアを拡散しました。
③ 戦略的な記者発表会の開催
新コンセプトの発表に合わせ、メディア向けの発表会を開催。「美容」という枠を超え、コロナ禍の「セルフケア・メンタルケア」という切り口で情報を発信した結果、主要な女性誌やライフスタイルメディアでの露出を獲得しました。
④ おうちケアブランド「ninalu(ニナル)」の展開
サロンでのケアを日常に繋げるため、ベレックス初となるホームケアブランド「ninalu」のPRをサポートしました。スーパーフルーツのサジーオイル「ヒポファエラムノイデス果実油(保湿成分)」をはじめとする天然由来成分のみを使用し、乾燥によるダメージ抑制、保湿、エイジングケア(年齢に応じたケア)を追求したサロンクオリティの製品力を訴求し、「顔と同じように指先もスキンケアする」という新習慣を提案しました。

一連のプロジェクトにより、以下の成果を収めました。
「カラーはできないけれど、爪を綺麗に保ちたい」というケア重視の層や、身だしなみを整えたい男性客など、従来のネイルサロンとは異なる新規顧客の獲得に成功しました。
メディア露出の最大化: 「消毒ダメージ爪」という時流を捉えたワードが多くのメディアの目に留まり、雑誌やWEB媒体で「今必要なケア」として大きく取り上げられました。
ブランドイメージの変革: 単なる「贅沢品」ではなく、日常を支える「インフラ」としてのネイルサロンの地位を確立。「ネイルステーション」を、ライフスタイルに寄り添う「ライフネイルサロン」へと進化させることができました。
今回の事例は、社会の痛みに寄り添い、その解決策をポジティブな言葉(キラッとスイッチ)で包み直すことで、マーケットを再構築した例と言えます。