株式会社ダイヤ「老舗ベーカリーが愛されるブランドへ」

2025.8.25

老舗ベーカリーが“大阪のソウルフード”を再発見し、愛されるブランドへ進化するまで

 

株式会社ダイヤは、大阪で約80年の歴史を持ち、地域に密着して毎日多くの生活者に愛されるベーカリーブランド「クックハウス」「ダイヤ製パン」の二つのブランドを展開しています。三代目体制への移行期を迎えるなか、両ブランドの価値をどのように再定義し、次の時代へ引き継いでいくかが大きなテーマとなっていました。

大阪府内に27店舗を展開される規模を持ちながら、「クックハウス」と「ダイヤ製パン」という二つのブランドが存在する中で、発信されるメッセージをより明確に整え、ブランド想起を一段と高めていく余地がございました。

また、販売データのさらなる活用を通じて、真の主力商品(キラーコンテンツ)の価値を見極めることが、今後の成長戦略における重要なポイントとなっておりました。加えて、優秀な若年層の皆様に選ばれるブランドとなるために、その魅力発信を強化していく必要もございました。

 

まず、老舗の持つ「ほっとする」価値を核に「気分ふくらむ毎日。」という全体コンセプトを策定するとともに、「ダイヤ製パン」ブランドにおいては「純サンドイッチ」のコンセプトを基軸に据え、両ブランドを含む全体のトーン&ビジュアルを統一いたしました。これにより、発信フローと役割を明確に整備いたしました。

その流れの中で誕生したのが、77周年を記念したミルクパン施策でした。地域の生活者に身近な価格の意味づけや周年のストーリーを組み合わせた取り組みは、多くのメディアにも取り上げられ、ブランド想起の底上げにつながりました。

さらに、ミルクパンの価値を次のステージへ広げる挑戦として、「おかんパン」が誕生します。

大阪のおかん像を温かさとして表現し、焼印やパッケージにはユーモラスな大阪弁のフレーズを添えるなど、見る人の頬がゆるむような世界観をつくり上げました。これは、「大阪土産といえば豚まん」という既成概念に挑み、あえて地元で愛されるパンを選ぶという新たな選択肢を生み出し、共感と話題性を同時に創出するものでした。

 

発売直後からメディア露出とSNSでの反響が広がり、店舗には開店前から列ができる日も増えました。“大阪らしさ”と“やさしさ”を掛け合わせたコンセプトは幅広い世代に受け入れられ、万博での展開にもつながるなど、ブランドの新しい柱となっていきました。

ダイヤ製パンの方は、人気カフェとの協業、世界的パティシエとの商品開発など、異業種とのコラボレーションにも積極的に取り組みました。こうした取り組みは、インフルエンサーの発信を通じて広がり、多くの人が「こだわりのサンドイッチ」を楽しむきっかけとなりました。

 

こうした取り組みを支えるため、SNSの世界観再設計や月次イベントの運用、店頭での体験づくりなどを通じて、毎日の買い物がちょっと楽しみになるような“温度感”を丁寧に積み重ねていきました。その結果、フォロワー数や店頭来訪者が継続的に増加し、ブランドとしての存在感も確かなものになっていきます。

 

一連のプロジェクトを通じて、クックハウス/ダイヤ製パンは、老舗ならではの安心感をベースにしつつも、「大阪のパンを、大阪のソウルフードとして再定義する」という大きな一歩を踏み出しました。商品開発・店頭・SNS・メディアPRが一つの物語として結びつき、ブランドの魅力が生活者に自然と伝わる構造が整いつつあります。

2025年度PRアワードグランプリにてブロンズを受賞。